2017年08月19日

真空のからくり


真空のからくり.jpg基本的に私の読書は歴史モノと推理小説に偏ってますが、たまに数学や物理、宇宙関連の本を読んでます。
今回読んだのは「真空のからくり」という本です。
思いっきり量子力学というか素粒子物理学の本でした。

真空とは一般的に知られているのは「何もない状態」のことだと思います。
古典物理学では、その意味で誤りはありませんが、量子力学では何もない状態はありえないのです。
Wikipediaで一応の定義を見てみると、量子力学では「十分な低温状態下を仮定した場合に、その物理系の最低エネルギー状態」と定義されているらしいです。

なぜ量子力学では何もない状態がありえないかというと、量子力学には不確定性原理というものがあります。

不確定性原理は「ある粒子の運動量と位置を同時に正確に知ることは原理的に不可能であること」を言います。

位置を正確に測ろうとすると、運動量(まあ速さです)は正確に測れず、逆も然りという原理です。
量子力学上、この位置の誤差と運動量の誤差の積が一定値以上であることが導き出されるためです。
正確に知るということは誤差が0で、これは上記の積の値が0となり、一定値より小さいことと矛盾するため、不可能ということです。
この式を操作すると、同様にエネルギーの誤差と時間の誤差の積が一定値以上であることが導き出されます。
正確なエネルギーを測ろうとすると、いつの時点で測定したのかが不鮮明なるということです。

何もない状態ということはエネルギーが0で確定できている状態なので、これはありえないことが不確定性原理より言えます。

では、何が起きているかというと電子対生成と電子対消滅が起きてます。
電子対というのは電子と陽電子のペアで、何もないところは電子と陽電子のペアの生成と消滅が延々と繰り返されており、観測できるレベルではなにもないけど、人間では観測できない時間内ではこの生成、消滅がされているという。
間接的には実証されているみたいです。

この辺りは知識としては当然大学で学んでいるので知っていましたが、この不確定性原理により量子力学レベルではエネルギー保存則が破られてもいいというのは盲点でした。
物理を学んでいるとエネルギー保存則等の保存則が成立していて、破れていることはないと思い込んでましたが、量子力学レベルの時間スケールでは破れても問題ないというのを不確定性原理と結びつけて考えることはなかった(もしかしたら授業では言っていたかもしれませんが)。

なかなか勉強になりました。
素粒子物理学では多くの日本人物理学者が活躍し、ノーベル物理学賞の多くはこの分野で受賞してます(湯川秀樹、朝永振一郎、小林誠、益川敏英、南部陽一郎)。

posted by 士季 at 22:52| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月06日

Cover Story Basic復活?

紙の本も大量(積読本で200冊くらい?)にありますが、電子書籍はもっと多い。

それはともかく電子書籍のリーダーとして今はなんだかんだで、
スマホ
タブレット(IPad mini)
Sony Reader
Cover Story Basic
の4種類持っている(PCでも読めるけど略)。

初めて買ったのは韓国製のCover Story Basicだったが、ある時起動しなく成ったので押入れに片付けて放置していた。
湯船に浸かりながら読むようにジップロックかなんかで水気が極力つかないようにしながら、使用していたのだろうがなんかつかなくなった。
今は代わりにSony Readerの方を潰れてもいいやという感じで特にカバーもつけずに何年も湯船に浸りながら読んでるが意外とつぶれないもんです。

で、押入れを片付けていたら発掘したので、試しに充電してみて電源押したら、なんと起動した。
問題なく本も読める。
ちょっとびっくり。
まずは紙の本を読むのが主なので出番は少ないが、また気が向いたら読んでみよう(つかなかったりして。。。)
posted by 士季 at 23:50| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月01日

2016年読書数

明けましておめでとうございます。

読書メーターより昨年の読書数は以下の通りでした。

2016年の読書メーター
読んだ本の数:220冊
読んだページ数:68336ページ
ナイス:1724ナイス
感想・レビュー:220件
月間平均冊数:18.3冊
月間平均ページ:5695ページ

2015年は150冊くらいなので冊数的には約1.5倍ですが、ページ数的には約1.3倍でした。

Newtonの短いやつやら200ページ程度の短めなのも読んでいたっぽいです。

久々に長期出張があったのでそこでよく読んでいたり、通勤時間が長かったのもあるかもしれない。

2015年頃は日本の平安時代より前の本(主に黒岩重吾)に手を出し始めましたが、2016年は江戸時代以降に手を出し始めました。

江戸時代以降は主に忠臣蔵と幕末です。

幕末も開国派ではなく、佐幕派・・・特に河井継之助や立見尚文といった比較的マニアックな人物です。

今年はこれだけ読めるとは思いませんが、月15冊程度は読んでいきたいところです。

posted by 士季 at 21:39| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月04日

曹操墓の真相

曹操墓の真相.jpg曹操の墓が本物だろうという報道を見て、改めて「曹操墓の真相」という本を読んでみた。
この本は曹操の墓が発掘されるまでのドキュメンタリーを述べているものです。
そもそも曹操の墓は正史「三国志」によると、曹操の遺命でだいたいの場所は指定されてましたが、具体的な場所までは判明されておりませんでした。
そんな中、1998年に盧潜(曹操死後の約120年後の後趙の偉い人)の墓誌に故の魏の武帝の陵からどこそこにあると具体的な場所を教えてくれている墓誌が発見された。
まだそのときは注目されてなかったが、2003年に具体的な場所を発表したら、考古学者だけでなく、盗掘者にまで注目されてしまう。
2005年から盗掘されてしまい、2006年に政府にも報告が上げられて、警備を強化してくれとか発掘調査させてくれと報告するものの、政府は帝王陵は保護の観点から発掘しちゃいかんという始末。
2007年12月末に大規模に盗掘されてしまい、重さ200~300kgの画像石という石片(石版)まで盗まれてしまう。
ここに来てやっと政府も重い腰を上げて、2008年11月に認可が降りて、2008年12月に発掘開始という流れとなった。
盗掘されたから発掘できるというのは皮肉なもんです。
その後、盗掘者どもを捕獲したりして、盗掘されたものはいくらか戻ってきているみたいです(画像石とかがそう)。
この墓の主は60歳代の男性であり、あと女性の遺骨が2体(20代と50代)が発見されている。
この本に書いてましたが、頭蓋骨にある縫合線というものができる年代があるみたいで、それの有無によって年齢がわかるみたいです。
あと副葬品に魏武王という文字や文字の書体やから考えて時代的にも合っていることや墓の規模から、曹操だろうと言われてます。
この本ではドキュメンタリー風に発掘現場の状況やらが詳細に書かれていて、発掘で器物破損したりしたらとかプレッシャーがあったり、またいよいよ曹操の墓に突入するという興奮や緊張具合が書かれていて、その気持が十分伝わってくる内容でした。
曹操大好きな私でもこの本を読んでる最中ドキドキしたもんです。
発掘物の画像やら陵墓の画像もカラーで掲載されているので良い資料です。

本当に残念なのは歴史的価値=金ぐらいしか考えてなさそうな盗掘者どもが墓を荒らしたせいで、曹操らしき頭蓋骨が墓の前に放り出されてたり、棺自体なくなってたり(女性のものはある)したのは本当に苛立たしい。
もしかしたら曹操をより特定できるものがあったかもしれないのに。
この本自体は2010年のものなのでまだ曹操の墓だと十中八九くらいしか思われておらず、もしかしたら夏侯惇の墓かもという説もあった。
夏侯惇は曹操とほぼ同時期になくなっている(1ヶ月後)し、曹操との親密具合から墓の規模も同程度でもおかしくないということらしい。
もし曹操の墓だったら、曹操墓を中心に陪陵(諸侯や重臣の墓)が周りにあるはずだから、それが発見されればさらに確かになる。
まだ情報がない(この本では)一号墓がそれに相当するかもしれないので、その辺の情報が待ち遠しい限りです。
ある陵墓の墓主が誰なのか確定するのに30年くらいかかったこともあるみたいなので、まだまだ確定するには遠いかもしれませんが、いつの日か明らかになる日を楽しみに待ちたいと思います。
posted by 士季 at 18:17| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月17日

四色問題

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読書メーターで登録し始めて1000冊目になりました。

累計33万ページでだいたい1冊につき332ページ程度のようです(青空文庫とかで数ページしかないのも含んでますが)。

1000冊はともかく、33万ページって言うと滅茶苦茶読んでるなあと思ってきます。

さて1000冊目になったのがタイトルの四色問題という本です。

四色問題は1852年にフランシス・ガスリーが発見?し、1976年にヴォルフガング・ハーケンとケネス・あっペルにより証明された問題です(証明されたので現在は四色定理です)。

証明されたときには朝日新聞にも掲載された。

地図製作者は経験的に知っていたようなので上記で発見?と書きましたが、本当かどうかは不明確でした。

四色問題は至ってシンプルでどんな地図でも隣り合う国を色違いで塗るには四色あれば可能であることです。

点で接する国同士(対角の関係にする国)は隣とはしないので、同じ色でもOKです。

フェルマーの最終定理もそうですが命題が単純なほど意外と証明は難しいものです。

また単純だから一般の人もこの問題に取り組み、「不思議の国のアリス」等の著者のルイス・キャロルも挑戦したようです。

問題が提起された頃はあまり反響もなく比較的無名な数学者が取り組んでいて、一流の数学者からは「三流の数学者しか取り組んでいないから証明されないだけで、一流の数学者がやれば簡単に証明できる」といって取り組んだたら、途中で挫折したという話もあるとか。

一般の人があまり知ることがない四色問題ですが、「容疑者Xの献身」で湯川が石神と友人となるきっかけの問題として登場するので、一部の人には結構知られています。

そのきっかけだけかと思いきや、実は深い意味が隠されていたようです。

というのも四色問題は隣り合う国の色が同じであってはいけないということから、石神と隣人の花岡靖子と一緒になってはいけないとか二人共有罪になってはいけないとか石神的には考えていたようです。

さて、四色問題ですが石神のセリフとして四色問題の証明が美しくないというのがあります。

何が美しくないかというと最終的な証明のチェックをコンピュータを使ったからです。

コンピュータは物理学者などの科学者も仮説を検証するためにシミュレーションの形で現在では当たり前のように使われるものですが、証明の中で使われることはまずないんじゃないかなあと思う。

地図なんて無限に存在しますが、それをパターン化して、法則を見出し、さらにパターンを簡略化しても数千とか数百パターンもあり、人の手じゃ追いつかないし誤りもありそうだから、コンピュータを使用したようです。

やり方があってればその計算というかチェック法は追っていけるので、それが合っているかどうか検証も追跡でき、まあ問題はないようですが、当時(今はどうか知りませんが)はこの証明法について大分物議を醸したようです。

自信を持ってハーケンが発表したら、聴講者は冷たい反応だったとか。

否定はされず結果は受け入れられているようですが、酷い数学だとも言われいている。

ちなみに手計算のところも含めて論文は700ページ以上とのこと。

フェルマーの最終定理やABC予想もそうですが、最近の論文は数百ページとかにも及ぶのが多々あるみたいですね。

この本の内容はその歴史も含めて、序盤は比較的簡単なので詳しく説明してくれており、一般の人でも理解できますが、終盤は最小反例とか可約配置とか還元障害とかわかりそうでわからない用語も出てくるし、難しいということもあるのでわかりにくくなってます。

その数学的なところは置いておいたら、十分読めるし、面白かったです。

違うアプローチ方法が生み出されたら、もっとエレガントな証明方法が出てくるかもしれない。

フェルマーの最終定理もモジュラー曲線とか超難易度が高い証明になってますが、もし以前に書いたABC予想がいい具合に証明されたら、それを使用すれば簡単に証明することができます。

一度証明された問題に取り組む人は非常に少ないと思いますが、石神のように美しくないということで新たな証明方法を生み出そうと頑張ってくれる人が出て、エレガントな証明が出てきてくれることを期待してます。

posted by 士季 at 21:44| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする